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27.14. site — サイト固有の設定フック

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27.16. fpectl — 浮動小数点例外の制御

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27.15. user — ユーザー設定のフック

バージョン 2.6 で撤廃: user モジュールはPython 3.0では削除されます。

ポリシーとして、Pythonは起動時にユーザー毎の設定を行うコードを実行することはしません(ただし対話型セッションで環境変数 PYTHONSTARTUP が設定されていた場合にはそのスクリプトを実行します。)。

しかしながら、プログラムやサイトによっては、プログラムが要求した時にユーザーごとの設定ファイルを実行できると便利なこともあります。このモジュールはそのような機構を実装しています。この機構を利用したいプログラムでは、以下の文を実行してください。

import user

user モジュールはユーザーのホームディレクトリの .pythonrc.py ファイルを探し、オープンできるならグローバル名前空間で実行します(execfile() を利用します)。この段階で発生したエラーはcatchされません。 user モジュールをimportしたプログラムに影響します。ホームディレクトリは環境変数 HOME が仮定されていますが、もし設定されていなければカレントディレクトリが使われます。

ユーザーの .pythonrc.py ではPythonのバージョンに従って異なる動作を行うために sys.version のテストを行うことが考えられます。

ユーザーへの警告: .pythonrc.py ファイルに書く内容には慎重になってください。どのプログラムが利用しているかわからない状況で、標準のモジュールや関数のふるまいを替えることはおすすめできません。

この機構を使おうとするプログラマへの提案: あなたのパッケージ向けのオプションをユーザーが設定できるようにするシンプルな方法は、 .pythonrc.py ファイルで変数を定義して、あなたのプログラムでテストする方法です。たとえば、 spam モジュールでメッセージ出力のレベルを替える user.spam_verbose 変数を参照するには以下のようにします:

import user

verbose = bool(getattr(user, "spam_verbose", 0))

(ユーザが spam_verbose をファイル .pythonrc.py 内で定義していない時に getattr() の3引数形式は使われます。)

大規模な設定の必要があるプログラムではプログラムごとの設定ファイルを作るといいです。

セキュリティやプライバシーに配慮するプログラムではこのモジュールをimport し ない でください。このモジュールを使うと、ユーザーは .pythonrc.py に任意のコードを書くことで簡単に侵入することができてしまいます。

汎用のモジュールではこのモジュールをimportし ない でください。 importしたプログラムの動作にも影響してしまいます。

参考

Module site
サイト毎のカスタマイズを行う機構