このモジュールは Unix のユーザアカウントとパスワードのデータベースへのアクセスを提供します。全ての Unix 系 OS で利用できます。
パスワードデータベースの各エントリはタプルのようなオブジェクトで提供され、それぞれの属性は passwd 構造体のメンバに対応しています(下の属性欄については、 <pwd.h> を見てください)。
インデックス | 属性 | 意味 |
---|---|---|
0 | pw_name | ログイン名 |
1 | pw_passwd | 暗号化されたパスワード(optional)) |
2 | pw_uid | ユーザID(UID) |
3 | pw_gid | グループID(GID) |
4 | pw_gecos | 実名またはコメント |
5 | pw_dir | ホームディレクトリ |
6 | pw_shell | シェル |
UIDとGIDは整数で、それ以外は全て文字列です。検索したエントリが見つからないと KeyError が発生します。
ノート
伝統的なUnixでは、 pw_passwd フィールドはDES由来のアルゴリズムで暗号化されたパスワード(crypt モジュールをごらんください)が含まれています。しかし、近代的なUNIX系OSでは シャドウパスワード とよばれる仕組みを利用しています。この場合には pw_passwd フィールドにはアスタリスク('*')か、 'x' という一文字だけが含まれており、暗号化されたパスワードは、一般には見えない /etc/shadow というファイルに入っています。 pw_passwd フィールドに有用な値が入っているかはシステムに依存します。利用可能なら、暗号化されたパスワードへのアクセスが必要なときには spwd モジュールを利用してください。
このモジュールでは以下のものが定義されています:
与えられたUIDに対応するパスワードデータベースのエントリを返します。
与えられたユーザ名に対応するパスワードデータベースのエントリを返します。
パスワードデータベースの全てのエントリを、任意の順番で並べたリストを返します。